プロや上級者のショットグリーンに落ちたボールにバックスピンがかかり、逆戻りしてカップに近づいて行くのを見ると「スゴい!」と思いますよね。
このスゴいショットはプロや上級者のだけのものでしょうか?いやそうではありませんよ。スピンの効いたショットは初心者でも打つことは充分可能です。
そこで今回はアプローチショット上達の延長にある初心者向けバックスピンのかけ方を解説して行きましょう。
バックスピンはかかるもの?まずはメカニズムを知ろう
ゴルフのクラブにはロフト角がついているためきちんとインパクトすると、ボールはクラブフェースの上に向かって縦に滑り逆回転します。
これがバックスピンと呼ばれる現象です。
そしてバックスピンによってボールの周りの空気が回転し、ボールの上部と下部の空気密度に差が生じ揚力という上向きの力が発生します。
この揚力がショットの高さと飛距離に影響を与えるんですね。これがバックスピンのメカニズムです。
すべてのショットにバックスピンはかかっている
前項でご紹介したようにバックスピンは意識していなくても、ショットすればかかってしまうものですね。
これはクラブに刻まれている溝によってクラブフェースとボールが接触時に起こる摩擦のためで、ショットをすれば自然にバックスピンがかかるようになっています。
つまりプロや上級者はバックスピンをかけているのでなく、スピンの量をコントロールしているということですね。
クラブとボールの影響は?
バックスピンの量はクラブやボールにも影響されます。どうしてもバックスピンがかけたい!そう思う初心者はバックスピンがかかりやすいクラブやボールを使用するのもアリですね。
クラブはメッキ加工が施されていないものがボールの回転数を上げてくれるのでバックスピンがかかりやすく、ボールはスピン性能が高いもの使用するとバックスピンをかけやすくなります。
スイングがしっかりと固まっていない初心者は、これらの道具に頼るのもいいと思います。
バックスピンと飛距離の関係
ゴルフでは飛距離を決める3要素と言われるものがあります。
- ボールの初速
- 打ち出し角
- スピン量
この3つが飛距離を決めます。
初速とはインパクト直後のボールのスピードで、これはヘッドスピードとミート率が大きく関係して来ます。
打ち出し角とはインパクト直後のボールの角度で、バックスピンの量が多いと、角度は高くなり飛距離は落ちます。
スピン量が多いと飛距離が落ちると述べましたが、逆にスピンが効いてない場合もボールの速度が抑制され距離は伸びません。
このようにバックスピンは飛距離にも大きな影響を与えます。
バックスピンがかかりやすい状況
プロや上級者はスピン量をコントロール出来ますが、経験の浅い初心者はまだコントロールすることは出来ませんね。
でもボールが落ちてからググッと戻るバックスピンの効いたアプローチショットは、コースの状況によって確実に打ちやすくなります。
どのような状況下においてバックスピンがかかりやすくなるのか、解説して行きますので状況が整ったときはぜひチャレンジしてみましょう。
フェアウェイでも芝の目によってスピン量に変化
短いミドルホールでドライバーをナイスショットでボールはフェアウェイへ。残りはショートアイアンの距離だからここはバックスピンに効いたアプローチショットを!
逸る気持ちはよく分かりますがボールの地点に行ってもう一度状況を確認してみましょう。
同じフェアウェイでもボール到達地点の芝が順目か逆目かでは、セカンドショットの攻め方はガラリと変化します。
順目の場合なら思い切ってバックスピンを狙えますが、逆目にボールがあったときはラフからのショット同様に芝がクラブフェースに絡んでバックスピンがかかりにくくなります。
初心者はここでは無理せずに安全策を取った方が無難ですよ。
バックスピンに最適な風の向きは?
バックスピンは風の方向によっても影響を受けます。フォローの風は飛距離を伸ばしてくれますが、ボールの回転とは逆に吹くのでスピン量は減ってしまいます。
逆にアゲンストの風はボールの回転と同じ方向に吹くので、スピン量が増えバックスピンがかかりやすくなります。
ただし強いアゲンストは距離感が合わないことも多いので注意して下さい。
グリーンの硬さとピンの位置
さらにはコースのグリーンの硬さや傾斜、それにピンの位置にも充分な注意が必要です。
乾燥して硬いグリーンはボールが落下してから最初のバウンドが大きいので、バックスピンは柔らかいグリーンに比べてかかりにくい傾向にあります。
またグリーンが奥から下り傾斜だとバックスピンがかかっても戻りすぎると、グリーンからこぼれてしまうので、グリーンのコンディションや傾斜など総合的に判断する必要がありますね。
バックスピンがかかりやすいスイング3つのポイント
ここまではバックスピンのメカニズムや初心者でもかけやすい状況をご紹介して来ましたが、いよいよここからはバックスピンのかけ方を具体的に解説して行きましょう。
インパクトからクラブフェースを加速させる
バックスピンはヘッドスピードが速いプレイヤーほどかけやすいですが、ショートアイアン以下のクラブでバックスピンをかけるのは、単にヘッドスピードの問題だけではありません。
ボールのスピン量を増やすにはインパクトからフォローでヘッドスピードを加速させる必要があります。
クラブフェースでボールを捉え、フェース面からボールが離れたときからヘッドスピードを加速させるイメージで振り抜くとバックスピンがかかりやすくなります。
プロや上級者がコンパクトなバッックスイングでもバックスピンをかけることが出来るのは、インパクト以降にヘッドスピードを加速させているからなんですね。
当てて終わりのスイングではなくコンパクトなバックスイングで、大きなフォローを取ることヘッドスピードを加速させるイメージをつかむようにしましょう。
バックスピンをかけるにはややダウンブロー気味でインパクトを迎える必要があります。
ただ初心者があまりダウンブローを意識しすぎると、インパクトで体が沈んでダフリのミスが出やすいので意識せずにダウンブローに打てるよう、アドレスから準備をしておくとダフリのミスを防ぐことが出来ますよ。
通常ショートアイアンやウェッジのショットでのボールの位置は、スタンス中央にセットしますね。
ダウンブローに打つ場合はそれよりもボール1個半から2個分右に寄せてセットして下さい。
次にグリップの位置ですがバックスピンをかけるには、スイングの最下点の少し手前でインパクトする必要があります。
そのためにアドレスでグリップの位置は左太ももの付け根あたりに来る、ハンドファーストに構えインパクトでアドレスと同じ位置にグリップが戻るようにショットします。
それによってグリップの位置がクラブヘッドよりも飛球線方向に近くなり、ダウンブローに打ちやすくなります。
芝とクラブフェースに摩擦を生むのがダウンブロー
ショートアイアンやウィッジでダウンブローに打つことは、バックスピン以外のももうひとつ利点があります。
バックスピンがクラブフェースとボールの摩擦によって起こることは説明しましたが、芝とクラブフェースにも摩擦が生じます。
フェアウェイからのショットではダウンブローに打つことでバックスピンがかかりますが、ラフや長い芝からのショットはスピン量が減って距離感が合わなくなります。
それがダウンブローで打つとボールとクラブフェースの間に入る芝の量を少なく抑えることが出来るので距離感を合わせやすくなりますよ。
まとめ
バックスピンについて解説して来ましたがご理解いただけたでしょうか?アプローチショットでバックスピンをかけるとカッコいいですよね。
ただプロや上級者はスピン量をコントロールすることが出来ない初心者は、今回ご紹介したコースの状況やボールのライなど慎重に判断してミスのないようにして下さいね。